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型にはまっているだけじゃ変われない!「融合」が呼び起こす新たな可能性

ムーンショット型研究開発制度には現在9つのムーンショット目標がありますが、これらは同時期に全て設定されたものではありません。後から追加された目標8と9が設定された過程の一部が垣間見える JSTサイエンスレポート『実現したい2050年の社会像』について紹介します。

こんにちは、JSTのスズキマです。「ムーンショット型研究開発制度」では、
目標8「2050年までに、激甚化しつつある台風や豪雨を制御し極端風水害の脅威から解放された安全安心な社会を実現」
目標9「2050年までに、こころの安らぎや活力を増大することで、精神的に豊かで躍動的な社会を実現」
の2つの目標が、2022年9月28日に新規に追加されています。この2つの目標の誕生には、若手研究者らが中心となった21のチームが、自らが実現したい2050年の未来像の具体化や達成に向けて、取り組むべき課題の特定を検討した調査研究が関わっていました。

2050年の未来像について考えると言っても、様々な考え方や意見があり、どのチームも一筋縄ではいかなかったようです。長く険しい道のりを懸命に進み、未来に向けた大胆な構想作りに挑んだリーダーたちが自分たちの取り組みを振り返る座談会を開催。これらの内容を関係者の言葉を集めて電子書籍として発行しました。

総括ムーンショット ミレニア・プログラム JSTサイエンスレポート『実現したい2050年の社会像』

座談会の発起人は、筑波大学人文社会系助教の秋山肇さん。
プログラム終了間近、秋山さんから思いの丈が詰まった1通の情熱的なメールがJSTの担当者に送られたところから始まりました。

秋山さんの熱い思いに胸を打たれ、決まった座談会企画。日本科学未来館科学コミュニケーター出身の谷明洋さん・本田隆行さんも参加して、調査研究の区切りとなった成果報告会からしばらく経ったタイミングで開かれました。当日は21チームのリーダーのうちの13名が参加。残念ながら不参加となったリーダーからもメッセージが寄せられ、ミレニア・プログラムへ傾けた研究者たちの熱量の高さをあらためて感じました。

参加者からは「文系、理系からいろいろな分野の研究者が集まり、最初はお互いが理解できず戸惑いの方が大きかったけど、調査研究を進め、交流が深まるとともに戸惑いはなくなり、むしろ自分が知らない分野に触れたことで、新たな知見が開けた」など、ミレニアでの経験を通じて得られたものがあったことを実感されていました。

JSTにとっても初めての試みだった今回のプログラム。ムーンショット目標としては2つの設定につながりましたが、ここで検討された構想が、ムーンショット以外でも未来社会を考える企画や社会を変えようとする活動などのきっかけにつながれば、と思っています。

研究開発の内容も、国の事業制度の仕組みも、一般のかたには分かりづらかったり、伝わりにくかったりする要素があると思います。今回のような取り組みに関するリアルな姿が一部でも見えることで、多くの人にご自身にも関連する地続きである要素が存在すると感じていただければうれしいなと考えています。

ぜひ、研究者の熱い想いを感じてください。


総括ムーンショット ミレニア・プログラム JSTサイエンスレポート『実現したい2050年の社会像』


なお、各チームの個別のレポートについて興味のある方は、ミレニア・プログラムのWebページからそれぞれの「調査研究報告書」を是非ご覧下さい!


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