想像(創造)してみよう!超早期に病気を予測・予防できる2050年
サイエンスアゴラ2023が、オンライン(2023年10月26~28日)と実地(2023年11月18~19日)の2種類の参加形態で実施されました。
目標2はオンラインで出展、「サイエンスアゴラ2023推進委員会が選んだ注目企画」にも選出されました!当日の様子をお伝えします。
こんにちは。ムーンショット目標2担当のニコです。
ムーンショット目標2では、「2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現」することを目指しており、5つのプロジェクトで構成されています。今回のサイエンスアゴラ2023では、各プロジェクトから、2050年に中心的な役割を担う若手研究者に、研究活動の将来への期待と懸念を語ってもらいました。
登壇者へは、あらかじめ2つのテーマでスライドの準備を依頼しました。
①「超早期に病気を予測・予防できる未来」が実現した場合の期待は?
②「超早期に病気を予測・予防できる未来」が実現した場合の懸念は?
事務局で用意した雛形はとても簡便なもので、レイアウトやデザイン等は研究者にお任せしました。その結果、話のテーマは決まっていましたが、スライドには各研究者の個性が光っていたように思います。
笹原帆平さん(東京工業大学工学院システム制御系 助教)
合原プロジェクト:複雑臓器制御系の数理的包括理解と超早期精密医療への挑戦
垣内伸之さん(京都大学白眉センター 特定准教授)
大野プロジェクト:生体内ネットワークの理解による難治性がん克服に向けた挑戦
川名洋平さん(東北大学病院 糖尿病代謝・内分泌内科 助教)
片桐プロジェクト:恒常性の理解と制御による糖尿病および併発疾患の克服
奥住文美さん(順天堂大学医学部神経学講座 准教授)
高橋プロジェクト:臓器連関の包括的理解に基づく認知症関連疾患の克服に向けて
小嶋泰弘さん(国立がん研究センター研究所 計算生命科学ユニット 独立ユニット長)
松浦プロジェクト:ウイルス-人体相互作用ネットワークの理解と制御
なお、ファシリテーターの加藤昂英さん(日本科学未来館 科学コミュニケーター)は、11月18日に開催されたサイエンスアゴラ出展者交流会で、今回の内容を簡単に紹介するピッチトークにも出演しました。
当日の研究者や参加者からの意見・コメントの一部をご紹介いたします。
①「超早期に病気を予測・予防できる未来」が実現した場合の期待は?
・健康寿命が延伸される。
・介護や医療費が低減される。
・大規模データが入手しやすくなっているので、精度高くリアルタイム
で身体の状態をモニタリング可能になる。
②「超早期に病気を予測・予防できる未来」が実現した場合の懸念は?
・いつまでも働き続けなければいけなくなるのでは。
・病気になることを知っても、治療法が確立していなければ、
不安になるだけではないか。
・未病では特に、情報セキュリティーが必要ではないか。
目標2のめざす社会像の実現に期待がある一方で、懸念されることも挙げられました。参加者のみなさんと、研究活動のわくわく感や使命感を共有すると同時に、研究だけではめざす社会像の実現は困難で、医療の研究者だけでなく、法律や経済の研究者、患者やその家族など、多様な分野や立場の方々と協働していく必要があることが共有できたのではないかと思います。
なお、今回のイベントでは音声を瞬時に文字起こしするアプリ、UDトークも導入しました。アプリを通して会話が次々に文字で表示され、聞き取りにくかった言葉や内容の理解の助けになったのではないかと思います。
ムーンショット目標2では、今回初めてサイエンスアゴラに出展しました。参加申し込み数は208名、実際の参加者は130名程でした。多くの方々のご参加、たいへんありがとうございました。プレゼンテーションや対話については、サイエンスアゴラ2023の目標2のサイトをぜひご覧ください。出展レポートの他、1時間ほどの動画もご覧いただけます。
引き続き、ムーンショット目標2への応援をよろしくお願いいたします!
関連情報
■サイエンスアゴラ2023
■出展レポート
「超早期に病気を予測・予防できたら、私たちの生活はどう変わると思う?」
当日の様子は、YouTubeでも視聴可能です、ぜひご覧ください。
■ムーンショット目標2
「2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現」